道具の"理(ことわり)"を知りながら、実際に手を動かして学べるこの教室。スタッフが実際に教室に参加し、その様子をレポートとしてお届けします。
3月14日(土)に行われた第5回のテーマは「釜浅商店オリジナル洋包丁シリーズamane×タコス」。
amaneの包丁を使って食材を切り、タコスを作りました。
今回のメイン道具は「amane」の牛刀とペティナイフ。
家庭用の万能包丁というと三徳包丁か牛刀というイメージですが、同じ万能包丁でも得意な切り方は異なるのだそう。
「三徳包丁は日本生まれの万能包丁。菜切りの形状を受け継いでいるため、刃が直線的で押し切り/引き切りに適しています。刃の全体がまな板に接地するため、切り損じが少ない包丁です。
対して西洋生まれの牛刀は刃が曲線的。刃先をまな板に当て、カーブを利用してスライドさせながら切ると、力を入れずに楽に切ることができます」
樋口さんのおすすめは、牛刀とペティナイフの2本使い。
「1本でやりくりしたい気持ちもわかりますが、理想は二刀流。1本だけに頼ると刃の寿命が短くなってしまいます」
今回の料理教室では、家庭用に使いやすい21cmの牛刀と、15cmのペティナイフを使っていきます。
料理のレクチャーの前に、刃の切れ味による味わいや香りの違いも体験。
切れ味の落ちた包丁とamaneで切り分けられたトマト・ピーマン・玉ねぎを比較してみると、想像以上の違いに驚かされました。
「ピーマンの苦みが全然出ていない!」「味わいだけでなく、舌触りや香りも違う」と、参加者のみなさんとも大盛り上がり。
切れ味は、切るときの快適さだけでなく、食材の味わいにも大きく影響することを改めて実感しました。
包丁の切れ味の大切さを知ったところで、タコスづくりへ。
樋口さんから手順やポイントを説明していただき、4人グループに分かれてタコスをつくっていきます。
トルティーヤ
トルティーヤ(タコスの生地)は「フラワー」と「コーン」の2種類があり、今回はコーントルティーヤを使用。
「市販の粉で生地をつくるときは、袋に書いてあるレシピより水を少なめにするのがポイント。きれいに生地が丸められると、伸ばしたときに端の方がギザギザしません」
丸めた生地を伸ばすのに使う道具は「包丁にやさしいまな板」。
通常はトルティーヤプレスを使うところを、なんとまな板2枚で代用します。
トルティーヤプレスをわざわざ買うのはハードルが高いですが、まな板なら家庭でも気軽に実践できそう!とモチベーションが上がります。
厚みがあるまな板は均一に圧力をかけやすく、体重をグッと乗せるだけで、きれいな丸い生地ができあがりました。
簡単な作業なので、親子で一緒につくるのも楽しそう。
薄くのばした生地は「釜浅の鉄打出しフライパン」でサッと焼いてできあがり。
カルニタス
タコスの具材となるお肉「カルニタス」は、様々なスパイスを使って煮込んだメキシコ版・豚の角煮。
メキシコ料理っぽい味にするためには、チリパウダーが大きなポイントなのだそう。
いきなり「このスパイスもあのスパイスも揃えなきゃ」と思うとハードルが高く感じてしまいますが、まずはここをおさえるべし、というポイントを教えていただけて、一気に異国料理が身近な存在に。
まんまとチリパウダーがほしくなり、料理教室のあとに早速スーパーへ買いに行きました。
具材づくり
具材となる野菜は、amaneの牛刀とペティナイフを使って切っていきます。
実際に手に取ってみると、改めてamaneの使い心地のよさを実感。刃がすっと食材に入り、切り離れもよいため、切る際の抵抗をほとんど感じません。
力を入れずに切れるので、トマトのような水分の多い食材も、つぶさずにきれいに仕上がりました。
さらに印象的だったのが「手なじみのよさ」。
みじん切りのような細かな動作でも負担を感じにくく、作業が続いてもストレスがありません。つややかで丸みのある柄は、握った瞬間から手にしっくりと収まり、そのフィット感のよさが際立ちます。
実際に食材を切る中で、手になじむという感覚が、これほどまでに作業の心地よさにつながるのかと驚かされました。
また、普段自宅では三徳を使っているので、実は牛刀を使うのは初めての体験。
カーブを使うことでスピーディーにみじん切りができて、三徳とは違う使い心地がとても新鮮でした。
包丁の特性による得意分野の違いを知ると、もっと色々な種類を試してみたくなります。
切った食材は、パン作りなどで使われる「ドレッジ」(カード状のヘラ)を使って集めていきます。
「切った食材を包丁で集めると刃が傷んでしまうので、ドレッジを使うのがおすすめ。きれいに集められるし、小ぶりな道具なので洗い物の手間も少ないですよ」と樋口さん。
みんなで協力して具材を切り終え、あっという間にタコスが完成しました。
食べてみて、個人的に一番驚いたのが玉ねぎ。
切れ味のよい包丁で切ることで、水にさらしていないのに辛味が出ておらず、甘くてみずみずしい味わいに感動しました。
最近家で切った玉ねぎの辛さを思い出し、そろそろ包丁を研がなければと背筋が伸びます。
タコスは家でつくる料理というイメージがなかったのですが「具材を切っておいて、あとは好きな組み合わせで生地に乗せて食べるだけ」というのはとても手軽で、みんなでテーブルを囲みながらワイワイ食べられる手巻き寿司のような楽しさがありました。
食後にはデーツのデザートもいただきました。
間に挟まれたクリームチーズとの相性が抜群で、シンプルなのに少し特別な気持ちになれるおしゃれな味。ワインにも合いそう!
タコスをおいしくいただいたあとは、最後に質疑応答の時間。
研ぎのことや、和包丁と洋包丁の使い分けについて、「次はこんな内容の教室をやってほしい!」というリクエストなど、みなさんからの沢山のご質問やご要望をいただきました。
料理教室が終わった後も、樋口さんに個別に質問されている方、初めまして同士で仲良くなって楽しそうにお話されている方など、料理を通してこの時間を楽しんでくださっている皆さんの様子が伝わってきて、いちスタッフとしてとても嬉しい気持ちになりました。
次回のテーマは「お弁当」。
銅の玉子焼器を使った玉子焼きづくりを通して、道具によって仕上がりがどのように変わるのか、その理(ことわり)を体感できる回になりそうです。






